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素晴らしい !「CLASSWIZ」の記事

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先ずは、以下の記事をお読み戴き度。

異様に欲しくなった電卓の話 カシオCLASSWIZ - 週刊ASCII
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/339/339010/

開発者のホンネがみっちり詰まった、とても読み応えのある良い記事です。

そういや、CLASSWIZって、2 way powerでした。ここまで省電力で動くために回路設計を限界まで作りこんでいた、素晴らしい成果だった、と !
何故、2 way powerに拘ったのか ? それは、世界で広く使われる事を意識しているからです。「乾電池なんて近所のコンビニで買えるでしょうよ」という国は、実の所、そんなに多くはないのです。一方、太陽光ならば、広く世界を照らし出している。常に手元に置いて、すぐに使えるという理想を実現するのは、2 way power、だった。ウーン。流石は世界企業 !

で、大変素晴らしい取り組みであり、記事でありますが、当blogとしては、つぎのお言葉がチョット気になってしまいました。
 帰国してカシオの新入社員に聞いてみたところ「難しくて使いこなしていない。使っていたのはせいぜいLOGと三角関数だけだ」という返事が戻ってきたことに落胆し、どうにかせんといかんと討議をはじめた。

「電卓のいいところは、手軽で大事に扱わなくても大丈夫で、ポンと押したらすぐ出てくること。ものさしや鉛筆みたいに使えなければならない。そこを忘れて多機能に入ってしまうと、スマホに全部食われてしまう。電卓のいいところを残して、プラスアルファを作っていく必要があると思うんです」
ウーン。なるほど「高機能電卓」はウケが悪い ... 。
道理で、なかなかfx-5800Pの後継機が出ない、のか ?

どうせ鄙びた辺りの当blog、見ていないだろうから以下、好き勝手な事を書きます。

「多機能になるとスマホに喰われてしまう」いうのは、確かにそう感じる所もありますが、一方、高機能電卓にしても、スマホのタッチスクリーンよりも使いやすいボタン操作ですから、スマホとは別モノとして普及する余地はあるのだと思うのですヨ。

「難しくて使いこなしていない。使っていたのはせいぜいLOGと三角関数だけだ」という返事が戻ってきたことに落胆し、の所ですが、これは如何ともしがたい、遺憾な状況であります。
今日に至るも、関数電卓は未だに「エレキ計算尺」という位置付けに過ぎず、高機能電卓の存在意義は無くなってしまったのか ?
その昔、世界に初めて登場したグラフ電卓はCASIOのもので、液晶パネルの高解像度化が進む中で投入された、実にエポックな製品だった。ポケコンの次の製品世代であり、グラフ機能を盛り付ける事で、計算に対するリテラシイの向上につながるものかと期待されたため、発売に至ったのではないか。
グラフ電卓が、より高機能電卓の開発に拍車をかける事になったのですが、今日では「普及が見込めない」という理由からか、開発に積極性が無くなってきてしまった。

確かに、高機能電卓を欲しがる人なんて、ごく少数ではあります。しかし、TI, HPはそれでも作っているじゃありませんか !
そこで、CASIOにも、高機能電卓を出して欲しく思うのです。
計算リテラシイの向上に寄与するとなれば、例えばfx-5800Pの様にプログラム機能を盛り付けるとか (fx-5800Pも単4電池1本で動くスグレモノでした !)。そして、今日的には外部ストレージのパスを用意し、プログラム・データのPCとの共有を図る。fx-FD10 proがそうだった様に。

普及価格帯の関数電卓でもやることは沢山あるのは判りますが、高機能電卓もやって欲しいのです。

「頼むから、そんな悲しい事を言わないでくれよ ... 」


短いコードの「お中元」

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先日来、JulyさんでHP50G, HP Primeほかの入荷があった様で、徐々に販売されて居ります。
Amazonのレビューに、neuro_drive 様がレビューを投じておりました。

HP Primeは未だ、「日本語クイックリファレンス付き」ではありませんが、既に日本語マニュアルPDFがwebでも取り寄せる事が出来、冊子としての日本語クイックリファレンスが添付されるのは、もう暫く先になるのかも知れません (もっとも、あと5日でJuly、もしかして、何か動きがありや ?)。
一方、アベノタレナガシミクスで円安も進行、10月には消費税も上がるので、輸入製品の価格が高騰する事も予想されており、こうした製品が欲しい向きは、今のうちに買っておくのが良いのかも知れませんが、それはさておきます。

6月もそろそろ終わりですが、HP Prime使用の方に、ささやかながら「お中元」を。Clifford attractor というグラフィクスのコードです。
4つのパラメタ A,B,C,D を色々と変えてプログラムを実行すると、様々な意匠を表示します。

// title : Clifford attractor for HP Prime
// begin : 2015-06-22 19:29:08
// note :

EXPORT Clifford(a, b, c, d)
BEGIN
// Clean the screen (G0)
RECT();

LOCAL i;
LOCAL x, y, xp, yp;
LOCAL xmin, xmax, ymin, ymax;
//LOCAL a, b, c, d;

//a := -1.4;
//b := 1.6;
//c := 1.0;
//d := 0.7;

Xmin := -3.2;
Xmax := 3.2;
Ymin := -2.4;
Ymax := 2.4;

x := 0.5;
y := 0.5;

FOR i FROM 1 TO 10000 DO
PIXON(x, y, RGB(25, 128, 240));
xp := SIN(a*y)+c*COS(a*x);
yp := SIN(b*x)+d*COS(b*y);
x := xp;
y := yp;
END;

// key wait loop
REPEAT UNTIL GETKEY() == -1;
FREEZE;

END;

ホーム画面から
Clifford(1.38, 1.65, 1.2, 0.7)
の様に打ち込んでやると、実行されます。 
 
HP Primeは、QVGAのカラー画面を持っていて、グラフ電卓のなかでは比較的高いグラフィクス機能を持っています。そして、pコードJITコンパイラでプログラムが実行されているらしく、プログラムの実行速度は割合早いものです。

エミュレータで実行すると、すぐにも実行結果が得られるのですが、それはPCのパワーが強力だからなので、実機で実行すると、どの程度になるのか、お知らせ戴くと有難く思います。

夏休みの自由研究 #4 - 電卓遊び

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どうも、小学4年生から電卓を算数の授業で取り入れているとかで、今回の記事は、小学4年生向けのものです。

まずは、12345679 と電卓のボタンを押します。更に「×」ボタンを押し、1から9までの、好みの数のボタンを押し、「=」を押して掛け算を行います。

ここまでで出た数は、まだ、何の数なのかよく解らない数ですが、更に「×」、「9」、「=」、とボタンを押すと、大変面白い事になります。

中学生くらいの知恵が付くと、この計算の仕掛けが判ってしまうのですが、小学生向けとは言え「この先の話」も用意しているのですよ、当blogは !

まず、上記の計算の「種明かし」から。12345679×9= を電卓で計算します。すると、111111111 が得られます。これに1から9までの数字を1つ選んで掛ければ、ゾロ目の数になる訳ですネ。
掛け算の内では、数の順番を換えても、同じ結果が得られる、という事が判ります。

12345679×9×■ = 12345679×■×9 = ■×12345679×9 = ■×9×123456789

更に、こうした現象が起こるのは、12345679だけなのか、調べてみましょう。

111111111 = 12345679×9 でしたから、今度は11から始めて、次々と桁を増やして行きましょう。電卓で計算します。

11÷9 = 1.222222222
111÷9 = 12.33333333
1111÷9 = 123.4444444
11111÷9 = 1234.555555
111111÷9 = 12345.66666
1111111÷9 = 123456.7777
11111111÷9 = 1234567.888
111111111÷9 = 12345679


最後の計算以外は、どうにも端数が出てしまいますから、憶えておくのも面倒です。
一方、端数の部分をよく見ると、規則的で大変面白い事が判ります。最後の計算、もしかして「12345678.99」だったのかしらん !?

電卓の計算は、計算の桁が限られているので、小数点以下の端数を計算するとしても、途中までで切り捨てになっています。ですから、上記の計算は、正確にはこんな風になっているのです。

11÷9 = 1.222222222222222... (以下、限りなく2を繰り返し)
111÷9 = 12.3333333333333... (以下、限りなく3を繰り返し)
1111÷9 = 123.44444444444... (以下、限りなく4を繰り返し)
11111÷9 = 1234.555555555... (以下、限りなく5を繰り返し)
111111÷9 = 12345.6666666... (以下、限りなく6を繰り返し)
1111111÷9 = 123456.77777... (以下、限りなく7を繰り返し)
11111111÷9 = 1234567.888... (以下、限りなく8を繰り返し)
111111111÷9 = 12345679

ここで、電卓でつぎの計算を行ってみましょう。

2÷9 = 0.222222222222222... (以下、限りなく2を繰り返し)
3÷9 = 0.333333333333333... (以下、限りなく3を繰り返し)
4÷9 = 0.444444444444444... (以下、限りなく4を繰り返し)
5÷9 = 0.555555555555555... (以下、限りなく5を繰り返し)
6÷9 = 0.666666666666666... (以下、限りなく6を繰り返し)
7÷9 = 0.777777777777777... (以下、限りなく7を繰り返し)
8÷9 = 0.888888888888888... (以下、限りなく8を繰り返し)
9÷9 = 1


最後の計算を除いて、全て小数点以下が繰り返しになっております。

0.222222... という数は、2÷9, 2/9の小数点表記である事が判りますが、この0.222222... という数を分数で表現するには、どうしたらいいのでしょうか。

  1. ■=0.22222... と置きます。
  2. 10×■=2.22222... ですネ
  3. 10×■-■=9×■ですが、同時に、=2.22222... - 0.22222.... = 2 と計算できます。
  4. 結果として、9×■=2, ■=2÷9 という計算がわかりました
ちょっと、狐につままれた様な話ですが、細かい事は学校の先生に聞くなどして頂戴。同様に、0.99999... が、1と違うのか、同じなのか、この方法で調べてみましょう。

  1. ■=0.99999... と置きます。
  2. 10×■=9.99999... ですネ 
  3. 10×■-■=9×■ですが、同時に、=9.99999... - 0.99999.... = 9 と計算できます。
  4. 結果として、9×■=9, ■=9÷9=1 となる事がわかりました !

小学生の皆様なら「電卓を使った夏休みの自由研究」というネタで、自分の文章で書かれてみてはいかがでしょうか。


【親御さんへ】
昨今では、100円ショップでも8桁程度の計算が出来る電卓が売られております。
しかし、学校の教材として電卓を買い与えるとなれば、是非とも関数電卓を選択され度 !
昨今の関数電卓は、2000円程度から近場のホームセンターで入手可能です。少し足を伸ばせば、1000円程度で買えるものもあります。

ちょっとした話題 - 「演算保留」って、何 ?

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昨日、やす親分のコメントに対するレスポンスを投稿した折、yahooけさんく(←変換できない)で「CASIO 電卓 演算保留」というワードで来ていた方が居られる様でした。
「演算保留」って何、と思って、調べてみた所、どうもSharpの電卓で使われている言葉の様で、演算スタックの事らしい。
括弧を使う計算では、その括弧内の計算結果を保留しておく必要があり、その量、というか「深さ」をどれだけ用意しているかで、括弧の入れ子をどこまで許容できるか、という指標の様です。

HPのRPN/RPLでは、この演算保留をスタックで明示的に操作するのですが、RPNでは大抵4段となっています。この4段だけで大抵の計算は十分可能なのですが、その分、計算の手順などで頭を使う事になります。
RPLの方はというと、再帰計算を行う様になっている都合で、スタックはメモリの許す限り取れますが、これに甘えて、計算結果を次々とスタックに置いていき、ある日、SysRPLとかをいじっていてパァにしてしまう事もしばしば ... 。

以上「演算保留」という言葉で書いた「小ネタ」でした !

今回は移植ネタ「酔っ払いの虫」

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先日、親分からつぎの話題を紹介されたのですが、関連したものを色々と調べている内に、記事のアップが遅れてしまいました。

楽屋裏 - 酔っ払いの虫 (Drunk Bug) - e-Gadget - プログラム関数電卓
http://egadget.blog.fc2.com/blog-entry-445.html

以下では、この記事を「原作」と記しております。まずは、TI-83+への移植を試みました。

TI-83+版のコード

PROGRAM:DRUNK
:ClrDraw
:94/2→V:62/2→W
:While 1
:Pxl-Change(W,V)
:2*randInt(0,1)-1→S
:2*randInt(0,1)-1→T
:If V+S≧0 and V+S≦94 and W+T≧0 and W+T≦62
:Then
:V+S→V:W+T→W
:End
:End

randInt(Begin, End)は、Begin,Endの間の整数乱数を返す関数で、randInt(0,1)は、0もしくは1を返します。
2*randInt(0,1)-1 の部分で、-1, +1の整数乱数にしております。
原作ではMODを使っておりましたが、まったく同じでは芸がないので、少しひねってみました。

今回、Pxl-Change()を使って判ったのですが、不規則ながらもグラフィクスコマンドを使う所で、一部変数の値が書き換わってしまうケースがあります。CASIO BASICと同じ様な感じです。
マニュアルには「ただし、変数X,Y,T,θ,Tはグラフを描く際、更新されることがあるので、グラフ関係以外の値を代入することは避けたほうが賢明です」(ページ A-50)と明記されておりました。

原作の興味深い所としては、酔歩の「移動の等方性」を担保するため、斜め方向の移動のみを行っている所です。
斜め方向の移動は、縦、横の移動と較べると、√2倍の距離の移動になります。縦、横の移動と斜め方向の移動とでは、単位時間での移動速度が異なる事になりますが、縦、横の移動、もしくは斜め方向の移動だけならば、移動の等方性が確保されます。原作の場合、斜め方向の移動のみを行う事で、移動の等方性を確保し、更に視覚的にも面白い表現を実現しています。

直交座標系では、縦、横と斜め移動の等方性について考える事が必要になりますが、四角ではなく六角形を敷き詰めたマス目空間(Hexagonal field)では、黙っていても移動の等方性が確保されます。少し工夫をする事で、直交座標系のピクセル空間にHexagonal fieldを擬似的に表現できます。

PROGRAM:HXDRNK
:ClrDraw
:94/2→V:62/2→W
:While 1
:Pxl-Change(W,V)
:Pxl-Change(W,V+1)
:Pxl-Change(W+1,V)
:Pxl-Change(W+1,V+1)
:randInt(0,5)→D
:(iPart(D/2)-1)*2→T
:2(fPart(D/2)*2)-1→S
:If T=0
:Then
:S*2→S
:End
:If V+S≧0 and V+S≦94 and W+T≧0 and W+T≦61
:Then
:V+S→V:W+T→W
:End
:End 
 
図が必要な事もあり、詳しい内容は、いずれ折を見て述べましょうか。 
 
更に、HP Prime向けコードも。

// title : Diagonal random walk for HP Prime
// begin : 2015-08-02
// note :

EXPORT drunk()
BEGIN
// Clean the screen (G0)
RECT();

LOCAL i, p;
LOCAL x, y, v, w;

x := 320/2;
y := 240/2;

WHILE GETKEY() == -1 DO
p := B→R(GETPIX_P(x, y));
IF p<>0 THEN
PIXON_P(x, y);
ELSE
PIXOFF_P(x, y);
END;
v := RANDINT*2-1;
w := RANDINT*2-1;
IF x+v>=0 AND x+v<320 AND y+w>=0 AND y+w<240 THEN
x := x+v;
y := y+w;
END;

// WAIT(0.1);

END;

// key wait loop
REPEAT UNTIL GETKEY() == -1;
FREEZE;

END;

実行中に適当なキーを押すと、停止します。更にもう一度キーを押す事で、プログラムの終了となります。
エミュレータで動かすと「爆速」ですが、そんな時にはコメントになっている「WAIT(0.1)」を使ってみて下さい。

お次はHexagonal field版

// title : Hexagonal random walk for HP Prime
// begin : 2015-08-02
// note :

EXPORT hexdrunk()
BEGIN
// Clean the screen (G0)
RECT();

LOCAL i, p, d;
LOCAL x, y, v, w;

x := 320/2;
y := 240/2;

WHILE GETKEY() == -1 DO
p := B→R(GETPIX_P(x, y));
IF p<>0 THEN
PIXON_P(x, y);
PIXON_P(x+1, y);
PIXON_P(x, y+1);
PIXON_P(x+1, y+1);
ELSE
PIXOFF_P(x, y);
PIXOFF_P(x+1, y);
PIXOFF_P(x, y+1);
PIXOFF_P(x+1, y+1);
END;
d := RANDINT(5);
w := (IP(d/2)-1)*2;
v := 2*(FP(d/2)*2)-1;
If w==0 THEN
v := 2*v;
END;
IF x+v>=0 AND x+v<320 AND y+w>=0 AND y+w<240 THEN
x := x+v;
y := y+w;
END;

// WAIT(0.1);

END;

// key wait loop
REPEAT UNTIL GETKEY() == -1;
FREEZE;

END;

HP PrimeのPPL (Prime Programming Language)での注意ですが、「変数への代入には := を使うべし」です。
実は、ピクセル値の値を取得する所で「p = B→R(GETPIX_P(x, y));」とやって、かなりハマってしまいました。
これでは代入ではなく「比較」になってしまうのですが、構文上は問題がないのでそのまま実行出来てしまい、エラー発見に手こずる事になります。


小中学生の皆様はもう新学期だそうで、今更「夏休みの自由研究」でもないのですが、来年の自由研究のネタに使えるかも知れません (鬼が笑うとりますがな)。

Julyさんの所のHP Primeが「おいでおいで」をしている ...

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先ずは、最近は入手しにくくなりつつあるHP電卓マニュアルなどのPDFの一部について、リンク(直リン含む)を載せておきます。

HP35S Training modules
http://h30499.www3.hp.com/t5/Calculators/HP35S-Training-Modules-for-specialties/td-p/5854845?notmigrated#.VfKfk7O-feQ

HP50G Training modules
http://www.ele.uri.edu/faculty/vetter/Other-stuff/HP-calculators/HP-50g/index.html

HP42S manual
http://h10032.www1.hp.com/ctg/Manual/c01094960.pdf

HP15C manual
http://h10032.www1.hp.com/ctg/Manual/c01095005.pdf

HP12C manual
http://h10032.www1.hp.com/ctg/Manual/c00787560.pdf

HP12C クイックスタートマニュアル
http://www1.hp.com/ctg/Manual/c01798125


少し前の事ですが、某県知事が「高校女子に三角関数の勉強など不要」と公言し、インターネットでは「何を言うか、女性蔑視だ」などという意見が多く出回りました。そうした意見を受け、訂正を述べたとの事。県知事自身が「俺も使った事ないしネ」と言ったとかナントカ。

「女子に三角関数必要ない」 - Reuter
https://jp.reuters.com/article/2015/08/28/idJP2015082801001432

https://twitter.com/Stakesh/status/637048757142458368

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1522492048040753

この「訂正」は、結局の所「男女問わず、高校生程度のガキにサインコサインの勉強なんて、いらねんじゃね」という事になっております。
高齢に達し県知事になった所で人生を振り返ってみれば、確かに三角関数の計算など無縁だったのでしょう。大学出ても、計算を必要としない人は少なくなく、確かに申す通りなのかも知れません。

日本で少なく売られている関数電卓について、土地家屋診断士試験対応電卓などを謳っているものもあり、三角関数が生活にまったく不要なのか、というとそうでもなさそうです。
遠山啓・著「数学入門 (下)」(岩波新書)には、洋服の縫製について、袖の展開を行うと接続面にsin curveが現れる、と書いてありました。工業高校では間違いなく必要であり、高専なんかでは入学してからすぐに微積分を教えるとか。
商業高校ではサインコサインの計算には余り縁がないのかも知れませんが、複利計算を考えると、指数・対数の計算が顔を出します。
「高校生程度のガキに三角関数は不要」とは限らないのだと思う所です。

過日、Twittreで、こんな話題がありました。(リンクを持っていないので、記憶に基づいて文意を書いております。御容赦)
「せんせー、なんで三角関数なんて勉強すんの」というガキには「それは、こうしてバカなガキに三角関数を教えるお仕事が存在するからだ」と言うとガキは納得したので、おススメです
ネタとしては、なかなか面白い答えですが、現実では、バカなガキが言うのではなく、県知事がこんな事を言うております。
こういう県知事が出てくる事こそ「この国の教育が荒廃した」という証左なのですが、こうしたイカレテいる知事の話は、これ以上相手にしていると気が触れそうなので止めます。


CASIOの社員ですらも「高機能関数電卓の高機能を使う必要を感じていない」とは以下の記事でも書かれております。

異様に欲しくなった電卓の話 カシオCLASSWIZ - 週刊ASCII
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/339/339010/

関数電卓の基本的機能さえあれば十分、という意識なのでしょう。
ただ、こういう意識で関数電卓、高機能電卓を使っているとなると、確かに需要は減っていく。

所が、海外ではAggressiveに、関数電卓、高機能電卓が売られているのです。TIはトップシェアで、CASIO,HPと続いているらしいのですが、Sharpでさえも海外では高機能電卓を出している !

Sharpも海外ではEL-9950なんて製品を出しているそうで、当方としては「EL-9950という電卓がある」という事に驚いたのでした。これは、過去に発売されていた「EL-9900」の改良新機種らしく、機能的にはTI-83+に相当する模様。

[シャープ] SHARP EL-9950関数電卓ライセンスシールを提供グラフィックコンバータ(海外直送品)- Amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%97-EL-9950-SHARP-EL-9950%E9%96%A2%E6%95%B0%E9%9B%BB%E5%8D%93%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%92%E6%8F%90%E4%BE%9B%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BF%EF%BC%88%E6%B5%B7%E5%A4%96%E7%9B%B4%E9%80%81%E5%93%81%EF%BC%89/dp/B00T7U4A4G/ref=pd_sim_sbs_229_8?ie=UTF8&refRID=0SSSXVYTXG92RNAAE4SE#productDetails

Sharpは、海外ではこんなのを出して居るのですね、何で日本では出して呉れないの ?

一方、以下の記事には興味深い事があります。世界的に見るとSharpの電卓シェアは、実の所かなり少ない。

4 電卓は今後どう進化していくのか? - 【レポート】「いつでも、どこでも、だれにでも」使える計算機を! シャープ、電卓発売から50年の節目 - mynavi
https://news.mynavi.jp/articles/2014/03/18/sharp_calculator/003.html

電卓は現在でも、全世界で1億3,000万台の需要がある。シャープは現在、年間700万台を出荷しており、そのうち国内が100万台、海外が600万台となる。

(国内における)電卓戦争の一方の覇者・Sharpでさえも、世界的には大した売上がなかった。そのSharpでさえも、海外では高機能電卓を販売している。結局の所、国内においては高機能電卓の需要がない、という事に尽きるのでしょう、残念ながら。

先日、Julyさんの在庫が復帰したHP Primeですが、入荷数が多く無かったのか、既に残り2台となっておりました。
他のHP電卓も大分さばいていて「もうHP電卓の販売は終了なのか ?」と思ったのですが、価格が少々高めのリアル店舗・東映無線さんでは在庫が潤沢な様子なので、Julyさんでも当面販売は続くのかなぁ ?

https://www.toeimusen.co.jp/~dp/

東映無線さんでは、HP Prime以外にも50Gなどの在庫が十分あるみたいですから、「どうしても50Gが欲しい」方も、今暫くは迷えそうです。(Julyさんから引いているので日本語クィックガイド付きの筈ですが、念の為、お問い合わせ戴き度)

当方はHP Primeの「日本語冊子付き」を待っているのですが、頻繁なファームウェアのアップデートと、それに伴うPDFマニュアルの更新もあって、紙マニュアルは印刷と製本が追いつかないのかも知れず、日本語冊子付きは当分出ない可能性があります。

10月になりました

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10月になりました。

Julyさんの所の電卓、全て完売になっており、再入荷の目処は立っておりません。ウーン。

CASIOが「新しいスマートウォッチを投入する」としたのが、今月です。さて、何が出るのやら ? ついでにオモロイ電卓を期待したい。

CASIOの電卓も50週年とかで、キャンペーンを実施中だそうです。

カシオ電卓50周年
http://casio.jp/dentaku/sp/50th/

新しい高機能電卓を期待したい所です。

さーて、何か考えないとなァ ... 。

昔懐かしい、プロ電のプログラムの技巧

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かなり昔の事ですが、プロ電にプログラムを仕込んで「ゲームマシン」にするという本があり、その中に面白い技巧が出ておりました。

1. 「角度スイッチ」をジョイスティック代わりにつかう
2. GRADモードの活用で、乱数ルーチンのステップ数を稼ぐ

まずは、1の方から

1. 「角度スイッチ」をジョイスティック代わりにつかう

今でも、大抵の関数電卓では「DEG」(度)、「RAD」(ラジアン)、「GRAD」(グラード、グラジアン)の3つの角度モードが設定可能ですが、昔のプロ電の中には、三角関数の角度モードをスライドスイッチで切り替えるものがあったそうです。残念ながら、今となっては何と言う機種かは判りません。
このプロ電用に作られたゲームの内容も今となっては不明ではありますが、スクロール(シューティング)ゲームだったのだと思われます。画面(恐らく1行表示)を見ながら、角度モードのスライドスイッチをカチカチと切り替え、自機の操作を行っていたらしい。
スライドスイッチをジョイスティック代わりにするという発想が驚きですが、これにより、キー入力による実行停止がなく、リアルタイム性が向上したのだと推察されます。

角度モードを切り替えるスライドスイッチの状態をどうやって検出するのでしょうか ?
答は簡単で、適当な三角関数値を計算させ、角度モードによって違う値が得られるので、分岐して処理する、という具合です。


2. GRADモードの活用で、乱数ルーチンのステップ数を稼ぐ

GRADモードでは、直角を100とした角度指標となっていて、普段、余り使われない様に思われるGRADモードですが、こんな利用法があった、と言います。
逆三角関数、arc-sin, arc-cos をGRADモードで計算すると、0から100までの数値が返ります。0〜99までの乱数値が必要な場合、内蔵の乱数(0〜1未満)を実行、その逆三角関数値を計算し、最後にround(数値丸め)を実行する事で、0〜99までの乱数値が得られるという手法でした。
通常、こうした場合には乱数値を100倍し整数部を採るという操作を行いますが、100倍するという操作で「×」、「1」、「0」、「0」と、4ステップ余計に喰ってしまいます。メモリの少なかったプロ電では有効だったのかも知れません。

この技法は、38ステップのプログラミングが出来る機種(CASIO fx-3800P)に向けたものでした。今から思うに、38ステップのプログラムでナニが出来たのか、大変考えさせるものがあります。
プログラムで使える命令についても、制御機構は簡単な条件判断(レジスタ・メモリの0判定)と「文頭へ戻る」だけです。それらは、電卓に用意されていた数値積分機能に寄与するもので、積分を計算したい数式を「プログラム」によって実装し、数値積分を行っていたのだと思われます。数値積分は、微分方程式の数値解を得るのにも使われておりました。
そこで、更に「これ使ってゲームも作れるのではないか」という発想で、GRADモードを利用する技巧が編み出されたに相違ありません。

興味深い技巧ではあります。しかし、逆三角関数を通してしまう事で、乱数値の分布に偏りが出たりしないのか、という疑問があります。グラフ電卓で分布を描いて、調べてみましょう。

大抵のプロ電には、一様乱数の機能があります。これをarc-sinに通して、標本を取得します。電卓の実験例なので、100個くらいのデータが丁度良さそうです。
得られる標本の数値範囲は角度モードによりますが、ここでは分布の傾向をみるだけなので、どの角度モードでも構いません。当方、普段はRadianにしているので、Radianならば0~PIの範囲となります。そして、この0~PIの範囲を10の区分にして、棒グラフを描いてみる事にしました。一例では、確かに偏った分布となっております。

更に、統計的にこの分布が偏っているのか、調べる事も出来ます。
推計学の基礎が教える所によりますと、この標本集団から得られるχ自乗値は、近似的にχ自乗分布に従う、との事です。
高機能電卓でも、機能が充実しているものならば、χ自乗分布のCDF(累積分布関数)値を計算できます。これを使って検定も出来るのですが、計算方法は「χ自乗検定」を調べれば割合簡単に判ります。この例の場合、一様乱数と近しいかどうかを検定する事になり、一様分布の「期待値」としては、どの区分も同じ値になっている、として期待値を設定すればよい筈です。

「すり抜け」確率の研究

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火砕流に遭遇する確率に関するTweet

https://twitter.com/HayakawaYukio/status/658584031123107841
1万年で火砕流90%は、人生100年とすれば、一生の間に遭遇する確率(すなわち火砕流で死ぬ確率)は0.9%だ。そんなに小さくない
「1万年で90%」という事から、100年では90%/100 = 0.9% という目安を出しておりますが、確率計算の上では、どうなのでしょうか。
早川センセは、発生(火砕流に遭遇)する確率をp=一定としている様ですから、ここでも、その前提で計算を進めようと思います。

「1万年で90%の確率」とは言いますが、そのうちの「人生100年」は、1万年の1/100期間であります。
そこで、この「人生100年」を1回の施行とすれば、「1万年」は100回分の施行と考えてよいでしょう。
ここまで単純化して、いよいよ本題です。
100回(=1万年)の施行で90%となる発生確率の場合、1回(=人生100年)の試行による確率がどの程度になるのか、という問題に還元される事となりましょうや。

これを考える為に、複数回試行の確率を考えます。まず,最初は2回の試行から始めましょう。

p=2/3 という確率で生じる事象があるとして、1回で生じる確率は2/3であり、生じない確率は1/3である事に議論の余地はないでしょう。それでは、2回ではどうでしょうか ?

最初の1度目で生じる確率は2/3, 次に生じる確率も2/3 でありますが、ここには、次の組み合わせがあります。

1度目2度目確率
生じる生じる2/3 * 2/3 = 4/9
生じる生じない2/3 * 1/3 = 2/9
生じない生じる1/3 * 2/3 = 2/9
生じない生じない1/3 * 1/3 = 1/9

2回の事象に於ける「組み合わせ」では、実に8/9の場合が「生じる」を含んでいる勘定になります。
すなわち、2回の施行において「全く生じない」場合は1/9であり、いつの時点で起こるかを特定しない「起こる」確率は、全体の「全く生じない」場合を除いた場合として考える事が出来、その確率は 1-p = 1-1/9 = 8/9 と計算できます。

さて、この部分をもう少し考えてみます。
2回の施行で「全く起こらない」確率は、1/3*1/3 = 1/9 でしたが、つぎの様に考えてもいいでしょう。

n回の試行で「全く起こらない」確率は、p = (1/3)^n
n回の試行で「1度以上起こりうる」確率は、q = 1-p = 1-(1/3)^n

これをより一般的な表現とするならば、1回の試行で発生する確率を P として、

n回の試行で「全く起こらない」確率は、p = (1-P)^n
n回の試行で「1回以上起こりうる」確率(pの余事象)は、q = 1-p = 1-(1-P)^n

という、少し込み入った表式を得ます。
ここでは複数回の施行で発生しなかった事を「n回の試行をすり抜けて来た」と考え、「すり抜けの確率」と呼称します。

この辺りの考えをまとめて、件の「火砕流に遭遇しない確率」を、今一度考えなおそうというコンタンです。
100回の施行で90%の遭遇確率とは、100回の間、遭遇せずに「すり抜けて来た」確率の余事象ですから、

0.9 = 1-(1-P)^100

となります。但し、Pは「1回で火砕流に遭遇する確率」です。関数電卓をチョイチョイと叩けば、Pの値はたちどころに得られます。

1-P = (1-0.9)^(1/100) = 0.977237221...

P = 1-0.977237221 = 0.022762779, およそ2.28% という値が得られました。
0.9%よりも大きい値で、センセの仰る通り「そんなに小さい値ではない」とは言えます。
一方、危険率を5%に採ってしまうと、「2.28%は滅多に無いんだから、無視しても良かんべ」という事になってしまう。危険率の設定というものを、少し考えてしまう話題です。

祝 ! [e-Gadget] 開設2周年

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CASIO fx-5800Pの情報を中心に、CASIO BASICの情報を積極的に発信されておられます やす様のblogが開設2周年との事で、蔭ながらお祝い申し上げます。

e-Gadget - プログラム関数電卓
http://egadget.blog.fc2.com/

やす様のblogでは、最近はCASIO BASIC の構造の詳細を述べられており、その情報を元にSentaro 様が高速動作版 CASIO BASICインタプリタ「C.Basic」の開発を進められております。既にLifeGame がウレシイくらいの速度で動いているらしく、とても興味深い成果なので、fx-9860GIIのユーザーの方は、是非とも御覧頂き度。

以前のポストで「10月にもCASIOがスマートウォッチを発表する」と書きましたが、どうも来年の話になっていた様です。
また、CASIOは電卓50周年のキャンペーンもやっており、既に年表も出していますが、そこには50年記念電卓「S100」も出ているので、年内の新しい高機能電卓は期待出来そうもありません。もうすぐ年末ですから「夢」は来年に持ち越し、にしておきましょう。尤も、CLASSWIZ は昨年12月に発表があったので、ウレシイ「裏切り」があって欲しい気もします。

他方、経営難が続くシャープですが、こんなTweetを出していました。

https://twitter.com/SHARP_JP/status/659206364967780352

ぜ…全国の 高校生よ 高専生よ そしてその親御さんの みなさま……このオラに ほんのちょっとずつだけ 弊社の電子辞書とか関数電卓を採用する圧力を…学校にかけてくれ…!!!

高校生向けの関数電卓だそうです。

http://www.sharp.co.jp/calc/lineup/education.html

惜しむらくはプロ電ではない所でありますが、今のSharpの企画力では、こんな所から始めるのが精一杯なのかも知れません。しかし、発売は来年2月となっております。それまで持つのか !?
いや、それこそ「来年の事を言うと鬼がナントカ」とか申しますから、CASIOの新製品と共に、静観します。

さて、CASIO機ばかりではマズいので、HP機の話題も。JulyさんのAmazon売り場のHP50G, HP Primeですが、最近になって猛烈にバイが進んでいる様子。特にHP Primeは残り5台。もうすぐクリスマスという事で、高機能電卓のお買い求めを。

賀正 2016年

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何とも素っ気ないタイトルで申し訳ない。
明けましてお目出度いのはテメェのオツムのみだと困ってしまいますが、それでも鄙びた辺りから、か細い声でも謹んで新年を賀する所です。
松の内も終わりまして、本blogも少しずつ作業を始めようと思います。

正月早々から余り大ネタもないので、最近考えている事を「年賀タオル」の様にポツポツと。


1. HP50GのMultiple Equation Solvreがスゴかった

先日、HP50GのEquation Library を使ってみたのですが、結構面白いんですヨ。
一部の関数電卓にもある、ビルトインされた「公式集」の様なものではありますが、グラフ電卓の強みを活かして、図が表示される項目があります (一部だけではありますが)。
メニューから項目を選んでやると、登録された式を元にしたSolver環境が動き、そのまま数値解を計算出来るという便利ツールなのですが、どうも、50GのMultiple Equation Solver (MES)を利用したものらしい。Users guide を見ると、ヘロンの公式、余弦定理と複数の式を登録してMESを使う例が出ております。

Using the Multiple Equation Solver (MES) - HP50G Users Guide
(page 7-9)

大まかなMESの使い方は、

+ 方程式リストをEQ、SolverのタイトルをTITLE、方程式の独立変数リストをLVARI という変数に記憶させておき、
+ MINIT, MITM, MSOLVR の順にコマンドを実行する

という感じ。コマンド実行時には、スタックに必要なパラメタを積んでおくなどの準備がありますが、詳細はUsers guideを御山椒。

MESの何がスゴイかというと、複数の方程式を登録して、それらを元に数値解を自動で計算する所もありますが、コマンドを複数使うだけでSolver環境が使えるので、プログラムとして構成する事で「専用のSolverプログラム」に出来るのです。
最近の関数電卓には、方程式1本のSolverが用意されていますが、50GのMESは、更に先を行っていたのでした。

先日、JulyさんAmazonの所のHP Primeは在庫が無くなってしまいましたが、50Gは未だ11台残っております。気になる方はお買い求めを。


2. 電卓内蔵のPeriodic Table考

HP50Gには周期表が用意されております。最近の電卓でも、一部には内蔵されているものがあります。
CASIOのfx-J900/700では、118番目の元素まで記録されているとか。

先日、113番目の元素について、日本の研究者が3度に渡り生成する事に成功した事から、命名権を取得したという話題がありました。
HP50Gの周期表は、作られた時期が古く、106番目までの元素までしか収録されておりません。名前も、104,105,106 については「Un-nil Quadium」、「Un-nil Pentium」、「Un-nil Hexium」と、暫定名であります。
これは、ベースとなっているのがHP48SX向けに用意されたアプリケーションで、1995年頃に作成されているので、古いのも仕方の無い所です。
fx-J900/700の周期表は十分に新しく、113番目の元素も収録されているのですが、命名権を取得したという段階なので、未だ名前が決まった訳ではなく、コレばかりはどうしようもありません。その内、113番元素の名前も決まるのでしょうから、その時になったら周期表も改変されるのでしょうか。まあ、市中在庫が結構ある上、ファームウェアの改変も必要であり、簡単には進まないかも。
そこで、新しい高機能電卓を出して、周期表のアップデートを図るという手を期待したい。
最近の電子辞書では、コンテンツの追加やアップデートが出来る製品があると言います。また、ファームウェアのアップデートが可能な様に、マスクROMからFlashメモリにした電卓製品も多く普及して居ります。新しい高機能電卓では、ファームウェアのアップデート機能によって色々な改良が為され、永く使いつづける事の出来る製品である事を期待したいものです。


3. CASIOの「スマートウォッチ」発表

藤堂様からもコメントをお寄せ戴いておりますが、先日、アメリカで開催されたCES 2016で、かねてよりスマートウォッチ市場に参入を表明していたCASIOがAndroidスマートウォッチの販売を表明しました。
いわゆる「フラッグシップ」という扱いで、高めの価格。CASIOとしてはそれだけ自信を持っている製品なのでしょうが、実入りの少ない当方としては「チプカシ」(チープ・カシオ)の様な腕時計に目が行ってしまう。それは蛇足ではありますが、スマートフォンの普及する今日、腕時計の需要は減る傾向にある様子。しかし、AppleがApple Watchを投入した事で、高級腕時計の需要が喚起された模様。そこでCASIOも高級腕時計としてのスマートウォッチを投入する決断に至ったのは、素晴らしい事ではあります。

電卓の方面では昨年、電卓事業50周年記念モデルとして「S100」を発売しました。キーボードなどに工夫を込め、耐久性も高い高級電卓です。これなどは「事務用電卓のフラッグシップ」なのでしょう。高機能電卓は、fx-CG20やfx-FD10 pro辺りがフラッグシップに相当するのか ?
すると、次は高機能電卓の「チプカシ」を期待したい。チプカシは、見た目は安いながらも十分な機能を持ち合わせている「CASIOの普及価格腕時計」であり、高機能電卓でも、こんな感じの製品を期待したいのであります。

過日、CASIOの電卓投票では高機能電卓・fx-5800Pが堂々の3位となりました。高機能電卓もそれだけ需要があるのですから、後継機では、もっと面白い仕掛けを用意して欲しく思うのです。

こんな計算をしていた ...

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先ずは、Stepney様がblogを開始されたとの事で、お知らせ。

Project Fx :関数電卓研究日記
http://stepney141blog.blog.fc2.com/

TI Nspire, HP50Gについての情報を発信されるとの事で、TI Nspireについては日本語の情報が少なく、興味深い情報を提供される事を期待します。HP50Gについては、当方でも色々とやって行きたいのですが、より高度な話題を提供される事と思われますので、期待しましょう。

当方はと言いますと、このところ不活性状態が続いております。高機能電卓の新製品がなかなか出ない事もあり、申し訳ない。

経営再建中のSharpがホンハイから出資を受け、子会社化するという報道があります。当初は、ナントカ私怨機構とかいう所が出資し、事業を腑分けするみたいな話もありましたが、まだ、何が決定したという段階でもなく、推移を見守りたく思います。

さて、脱力状態が続いております当方、最近は何をしていたのかと言いますと、ちょっとした計算くらい。関数電卓で簡単に進められるので、メモ代わりに書いておきます。今回は、中学生向けの話題。

地球の自転周期を調べていましたら、ナント「24時間に足りない」というハナシを見てしまい「エエッー、ホンマかいや ?」とのけぞってしまったのですが、それを関数電卓を叩いて確認しようというのです。

WikiPediaによると「1日は24時間、自転周期はそれよりも短い 23時間56分4.098...秒」とか。ウーム、どうなっているのか ?

地球の自転 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E8%87%AA%E8%BB%A2

ここに、謎を解く図が掲載されていました。1日=24時間というのは、地球から見て「太陽が再び同じ(見かけの)位置」に来る時間、という事だそうです。すなわち、1周回っただけでは足りず、更に「あとちょっと」回って、はじめて太陽の見かけの位置が同じ所に至る、という具合。
で、この「あとちょっと」がどれくらいの量なのか、それをWikipediaの図から読み取ると、地球の公転の1日分の移動角と同じ、と判ります。
地球の公転周期は1年ですが、閏年などを考えると、およそ365.25日です (0.25=1/4は、閏年の02/29の分)。すなわち、2π/365.25 が「あとちょっと」の分。
これらを寄せ集めると、地球の自転周期をTとした場合に、およそつぎの関係が得られます。

2π*(1+1/365.25)*T=2π*24

ここから逆算すると、

T = 24/(1+1/365.25) = 23.934470...

これは10進数表現ですから、関数電卓の度分秒換算機能を使って表示を変えてみましょう。HP50Gの場合、→HMS を使います。

23.5604095563

すなわち、23時間56分04.0956秒 が得られます。おおよその所が合っているので、これで良しとしておきましょう。

映画「ゴーストバスターズ」にまつわる話題

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映画「ゴーストバスターズ」の新作の公開日が決まったそうです。

『ゴーストバスターズ』新作は8・19日本公開!女性が幽霊退治の主人公に - シネマトゥデイ
http://www.cinematoday.jp/page/N0080378

いや、新作はどうでもいい。旧作というか元祖の方です、当方の記憶に残っているのは。
(旧作の)映画「ゴーストバスターズ」には、CASIOのポケコン・PB-100が出ておるのですね。

赤松健氏・Twitter
https://twitter.com/kenakamatsu/status/123429347825688577
ゴーストバスターズのは、あれはカシオのPB-100です。FA-3(カセットインターフェースユニット)付きの。 RT @shengyan 映画ゴーストバスターズの一人が持っていたのはどれでしたっけ?

9:07 - 2011年10月10日
写真もありました。

Harold Ramis dies: Ghostbusters 3 still set to go ahead - The Independent
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/harold-ramis-dead-ghostbusters-iii-still-set-to-go-ahead-9154213.html

PB-100をぶら下げている役者さんが亡くなったという記事なので残念ではありますが、記事の冒頭にある写真を御覧戴きたく。

で、PB-100についてはWikiPediaを参照すると、1982/08に発売されているそうで、もう33年も経っております。ウーン。

そこで、fx-5800Pの後継機と共に、PB-100から33年という事で記念碑的なポケコンとか、出してくれると面白いかなぁなんて思うのでありますが、如何でしょうか、CASIOサマ。

fx-CP400が気になる

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先日、前の記事のコメント欄にて、やす 様からCASIO fx-CP400 についてのお知らせを戴き、少し調べてみました。

既に2013年にはGood designを取得している模様で、この頃には販売されていた模様。

graphing scientific calculators [CLASSPAD FX-CP400]
https://www.g-mark.org/award/describe/40156

海外では発売されて久しい高機能電卓ですが、2016年を迎えた今日、日本での販売は行われておりません。
主に教育向けだからの模様です。

webにある情報を見た範囲で、fx-CP400とはどんなモノなのでしょうか ?

まずは、やす 様も申しております通り、タッチパネルとスタイラス、そしてキーボードもあるという興味深いデザインです。
キーボードはテンキーのみと割り切っており、関数キーなどはソフトウェアキーボードで行うという徹底ぶり。見た所、TI Nspireを意識した様なI/Fの様です。
ソフトウェア・キーボードを始め、数式を操作する事に主眼を置いている感じで、それはCASを使う事を意識しているからなのでしょう。

以下のページで、細かい紹介がされております。

Fx-cp400 - TK Notebook 様
http://www.nakamuri.info/mw/index.php/Fx-cp400

製品サイト

ClassPad II(fx-CP400) 
https://edu.casio.com/products/cg/cp2/

英文マニュアルはこちら。

http://support.casio.com/en/manual/manualfile.php?cid=004010003

計算については、RealモードとComplexモードがあるらしく、ComplexモードでCASを使うと複素数根も計算してくれる模様。
また、CASIO BASICも用意されているので、プログラミングもOKです。

縦型大画面のカラー液晶の割に、単4電池で稼働するという辺りはチョット驚きです。連続稼働時間は100時間程度となっておりますが、ENELOOPも使えるらしく、経済性はかなり高め。結構ソソります。

CASを使う事を主眼にしているらしく、「計算結果をその場ですぐに欲しい」という実用性は少ない様子で、実務向けというよりは教育向けの色が濃い。
また、結構高そうな感じもします。(Amazon.com では$149の程度ではありますが)
この辺りが日本で発売されない理由の一つなのかも知れません。

惜しいナァ ... 。

HP Primeによる複素数のグラフの例

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最近はJulyさんのAmazon店で、HP50Gの在庫が5台と少なくなりつつありますが、HP Primeの方は在庫も潤沢な様です。
そこで、Primeの売上に貢献すべく(?)、こんな話題をお届け。
 
HP50G, HP Primeでも複素数の計算が出来ます。

ここでは、HP Primeにて等角写像の例として、Zhukovski 変換を使ったグラフィクスを描いてみましょう。
詳しい内容は、Zhukovski変換を調べてください。

先ずは、変換する前の円の中心座標を定めます。複素平面に描くため、円の中心座標も複素数として設定しますから、複素数を保持できる変数が必要です。デフォルトで利用できる複素数変数にはZ0~Z9までがあり、ここではZ0に(-0.08, 0.15)を設定してみました。
つぎに、変換する円の半径ですが、これはsqrt((1-Re(Z0))^2+(Im(Z0))^2) とします。


変換する円の式をdefineによって定義しておきます。


更に、Zhukovski変換の式もdefineで定義すると、楽に進みます。


最後は、「パラメトリック・プロット」アプリケーションを呼び出し、つぎの様にグラフの式を設定しておきます。アプリケーションの複製を作り、Zhukovskiとでも名付けてやってもいいかも知れません。


後は、Graphキーを押してやれば、変換前の円と、Zhukovski変換にて得られる「翼断面」の図が得られるはずです。






同様の事をHP50Gでも作業できますが、実行速度はHP Primeの方が断然早そうです。

小数点数の2進数表現

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今回も、どちらかというと中高生向けのネタです。

ここで「小数点数」と書きましたが、単純に小数点を含む数値の事です。

ex.
1.32, √2 = 1.41421356 ... , π = 3.1415926 ...

これらの数値は10進数にて書くのが当たり前でありますが、理屈の上では2進数でも書けなくはありませんよネ。
関数電卓の基数変換機能を使って、これら小数点数の基数を変えた表現がどうなるのか、チョット調べてみようと思った次第です。

関数電卓の基数変換機能ですが、通常はIntegerでしか扱えませんから、小数点数の表記を求めるには、少し工夫が必要です。
基本的な考えとしては「小数点を取り除くために基数倍する」のです。

1.32 を例に取ります。まず、基数倍、この場合では10進数表記なので10倍します。すると、1.32 * 10 = 13.2になります。更に10倍すれば 132 となって、見事、小数点を取り除くことに成功しました。

「基数が10の場合には、10倍の手続きを必要な回数繰り返す事で小数点を取り除く事が出来る」という事は、
「基数が2の場合には、2倍の手続きを必要な回数繰り返す事で小数点を取り除く事が出来そう」ですネ !
では、やってみましょう !

今度も、1.32 を例にしてみます。2進数表現でどうなるのかを調べるのですが、その為に、2倍、2倍の手続きを繰り返します。
1.      1.32 * 2 =     2.64
2.      2.64 * 2 =     5.28
3.      5.38 * 2 =    10.56
4.     10.56 * 2 =    21.12
5.     21.12 * 2 =    42.24
6.     42.24 * 2 =    84.48
7.     84.48 * 2 =   168.96
8.    168.96 * 2 =   337.92
9.    337.92 * 2 =   675.84
10.   675.84 * 2 =  1351.68
11.  1351.68 * 2 =  2703.36
12.  2703.36 * 2 =  5406.72
13.  5406.72 * 2 = 10813.44
14. 10813.44 * 2 = 21626.88
ああ、面倒くさ。「もういいでしょう」

で、こうして得られた数をどうするか。まず、小数点以下を切り捨ててしまいます (ああ、もったいない !)。
そして、関数電卓の基数変換機能で表示を変えてみるのです。

101010001111010

という表示が得られる筈です。
これは、2を14回、掛け合わせた数値であり、2進数表現において2を掛けるという事は「1桁倍した」という事でありますから、14回だけ小数点を左へずらす事で、本来の数値になる勘定です。

1.01010001111010

こうして得られた1.32の2進数表現ですが、実際には途中で切り捨てているので、正確な値ではありません。

1.32 (10) = 1.01010001111010 ... (2)

という具合です。

今の例では2倍ずつ掛けて行きましたが、実際にはオーバーフローしない範囲でまとめて桁上げしても構いません。
HP35SやFree42では、36ビットの数値をハンドル出来るので、この例では30ビット分の桁上げをしても充分です。1024を掛けると10ビット分の桁上げになりますから、1024を3回掛け合わせれば30ビット分の桁上げになります。

1.       1.32 * 1024 =       1351.68
2.    1351.68 * 1024 =    1384120.32
3. 1384120.32 * 1024 = 1417339207.68


これを2進数表示して、つぎの値を得る事が出来ます。

1.32 (10) = 1.01010001111010111000101000111 ... (2)

実際には、この値の方が正確な様です。

同様の手続きを√2や円周率に適用する事で、2進数表記を得られます。
答えを以下に示しますので、お試しを。

√2 =  1.011010100000100111100110011011 ... (2)
π  = 11.001001000011111101101010100010 ... (2)

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あれーっ、July Amazon店のHP50Gが、売り切れだって !

「電卓を活用しよう」の御紹介

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当方の所へ検索で訪れる方も多いと思います。
多くは高機能電卓の追っかけ情報だったりしますが、中には、電卓計算の疑問というか手順というか、電卓の活用についての疑問を探しに来られる方もおります。

特に関数電卓ではない普通の電卓でも、色々な計算が出来るのですが、当方などは高機能電卓にかまけてばかりで、電卓の威力、底力を忘れてしまったのですが、藤堂様作成のつぎの文書は、電卓に初めて触れた時の感激を思い起こさせました。

藤堂俊介 様・作「電卓を活用しよう」
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=manga&illust_id=55948675

普通の電卓でも、丁寧に作業すれば実に様々な問題を解決するための道具となります。

CASIOは以前、関数電卓の販促物として小冊子を店頭にて配布しておりましたが、内容は藤堂様の文書の方がずっと「濃い」ものです。
こうした面白い文書を無償で公開された藤堂様には改めて感謝し、心ある電卓メーカーはこの文書を買い上げ、小冊子にして店頭でバラ撒くくらいの事を期待したく、と思う所ではあります。

高機能電卓と電子辞書

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Sharpの経営再建の成り行きがどうなるのか、未だ結果が見えてきませんが、電卓戦争の2強であるCASIO, Sharpが、同じく2強になってしまった製品分野に「電子辞書」があります。

電子辞書は、新入学などの時期に、それなりに売上を伸ばしている様で,先ずは目出度いのですが、一方,高機能電卓の方は、なかなか苦しいのか ?
近年は関数電卓も「ナントカ試験対応電卓」という「電子計算尺」ばかりであり、高機能電卓は余り出ておりません。
電子計算尺も重要ではありますが、更に、高機能電卓も充実して欲しく思うのです。

電子計算尺ならば、「ナントカ試験」にも持ち込めるというのは判ります。プログラミング機能は「あんちょく」も仕込めるので、こうした試験に持ち込みは出来ませんからネ。
スマートウォッチの登場で、試験会場に腕時計の持ち込みまで制限する大学も出現したといいます。腕時計すら持ち込めない試験会場、って、スゴイですが。
なるほど、こうした試験では、高機能電卓などは「以ての外」なのは仕方の無い所。電子辞書も「試験に持ち込み出来ませんヨ」。

それでも電子辞書はそれなりに売上を伸ばしている。
ならば、高機能電卓ももっと売れてイイ筈なのですヨ、と言いたい。
実際、CASIOも海外の教育向け市場に向けてClassPad fx-CP400の様な製品を出して居るわけです。では、何で日本で売らないのか、と。

速報・HP Prime仮想電卓の新バージョン

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New Version: 2016.04.14 r10077 - MoHPC
http://www.hpmuseum.org/forum/thread-6085.html

という訳で、仮想電卓の新版も出ている様です。
しかし、仮想電卓を動かしても、アップデートされる気配がありません。ftpのファイル置き場を覗いたら、どうも新旧2つのファイルがあり、アップデータが混乱しているのか ?

ftp://ftp.hp.com/pub/calculators/Prime/

「ぼくのかんがえた、さいきょうの高機能電卓」(途中から漢字になってスマソ)と言うか、こんな高機能電卓があったら面白かろうと思うのヨ

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CASIO fx-5800Pは、名機の誉れ高い高機能電卓です。

  • 単4電池で充分に長く動作します
  • 高機能電卓として十分な広さの画面
  • 使いやすいCASIO BASIC言語
など、など

プロ電が少なくなってしまった今日に至るも永らく販売されておりますが、一方、惜しい点もあります。

  • ヒンジが弱い
  • プログラムを外部に保存しにくい
プログラムを保存するには、同じfx-5800Pとケーブルで接続し、内容をコピーするしかなく、そのため、PCなどでプログラムを作成してfx-5800Pに流し込むなどの操作が出来ないのが惜しい所。

また、カバーのヒンジが弱く、ちょっとした力の入れ具合で折れてしまうのも残念ポイントとなってしまった。

元々、ヒンジでカバーを付けたのは、ちょっとした文書を書き留めた「手帳」の様なデザインだったのではないか。
公式集なりを持っていて、いつでも利用できるというイメージだった。
しかし、凝った作りである一方、壊れやすい事から、今日では「改善を望む点」になってしまった。

fx-5800Pが登場した当時、これらの問題点は余り問題にはならなかった点でしょうが、永く販売を続けている内に、今日的には明確な欠点として浮かび上がって来ております。

ヒンジの問題は、ケースを改善するだけで解決するでしょう。
すると、もうひとつの問題点「プログラムの保存と復帰に、別のfx-5800Pが必要」という点を、改善して欲しいと思うのです。

今日、PCは安価となり、USBポートで様々な機器と接続するのが当たり前になっております。
高機能電卓とPCを接続して、PCで編集したソースコードを高機能電卓に流しこむ、となると、プログラムのバックアップも容易になります。

ここまでは「eGadget」の やす親分様も強く提唱されております。
ここからはオリジナル、当方の思いを。

今日の高機能電卓には、数値Solverが当たり前になりつつあります。いや、当方としては「Solvreこそが高機能電卓にゼヒとも欲しいモノ」と言いたい。

この数値Solverを、BASIC言語から簡単に呼び出せる様にしてもらいたい。すると、今までファームウェア内に収蔵されていた「公式集」は、Solvreアプリケーションとして実装する事が出来る様になるはずです。
こうする事で、公式集の追加、改変もユーザーが行える様になります。更に、不要なものは一時的にPCなどにバックアップを取り、電卓内の空き容量を稼ぐ事も出来るでしょう。

Solvreだけで色々なアプリケーションを書けるわけではありませんから、プログラミング言語は「必須」であります。
更に、BASIC言語に「スタック」のメカがあると、面白いものになりましょうや。
Solver機能とのデータのやり取りにスタックを用いるのです。
BASICで記述したアプリケーションから、スタックを介してSolvreに値を設定して実行。簡単にSolvreアプリケーションが構成できるという次第です。
また、スタックのメカがあると、サブルーチンを再帰的に呼び出すなんて事も出来ます (ただ、そのためにはスタックを十分 - 1000段程度は欲しい)。
ちなみに「C:BASIC」では局所変数のメカを導入しようと検討されているそうで、 面白い事になっております。

そんでもって、Solvreを使うにあたって、電卓I/Fを活かすメニューAPIもあるとウレシイ。
HP42Sのエミュレータである「Free42」を使うと解りますが、HP42Sには変数をメニュー風に入力するために使う「MVAR」という命令があり、プログラム中で使う事で、簡易なメニューシステムを構成できます。
もちろん、プログラムでメニューシステムを構成する事は悪い事ではないのですが、プログラム領域の容量を喰ってしまい、勿体ない。

Solvre,メニューシステムから、高機能電卓を考えてみました。
この先、新しい高機能電卓にどんなものが出るのか、色々と夢想するのですが、果たしてメーカー様は、応えてくれるのでしょうか ?


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